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【DX】なぜ日本のDXは進まないのか!?~海外との違いを読み解く~

近年のグローバル化やデジタル化の進展により、ビジネス環境は急速に変化しています。
顧客ニーズの変化を素早く把握し、競争力を高めていくために
DX(デジタルトランスフォーメーション)は必要不可欠です。

しかし、日本は海外に比べてまだまだDXが進んでいません。
日本の企業文化は、海外に比べて「保守的」と評されることが多くあります。
従来の業務プロセスや慣行を維持しようとする傾向が強く、
変化に対する抵抗が大きいため、リスクを伴う投資に踏み切れないことも、、、。

今回のコラムでは、日本のDXが進まない理由を、文化や労働環境の違いに焦点を当て、
日本におけるDX推進の課題と解決策について考えていきたいと思います。

<日本と海外のDXに対する意識の違い>

企業文化とリスク許容度
日本の場合 ・リスク回避的で慎重な意思決定プロセス
・根回しに時間がかかり、チャンスを逃す可能性が高い
・ミーティングは情報共有が目的となり、意思決定が遅れる
海外の場合 ・リスクを積極的に受け入れ、失敗から学ぶ文化
・スタートアップ文化が盛んで、
革新的なアイデアや技術が迅速に取り入れられる

 

市場競争環境
日本の場合 ・競争が比較的緩やかで、特定の業界や企業が市場を支配している
・国内市場に依存し、グローバルな競争にさらされる機会が少ない
海外の場合 ・競争が激しく、企業は常に革新を追求し続ける必要がある
・グローバル市場を視野に入れた競争が展開され、DXが不可欠

 

<マルチタスク文化とDXの関係>

マルチタスクの特性とDX
「日本人はマルチタスクが得意」と言われています。
複数の仕事を同時にこなすマルチタスクは効率的に見えますが、
処理能力の低下やミスが起こりやすく、効率が下がることもあります。

しかし、効率よりもチームワークを大切にする日本では、周りを気遣いながら仕事をすることが多いです。
その結果、残業が増えてしまうという傾向もあります。

単純作業はデジタル化が容易ですが、属人的なマルチタスクはテクノロジーで置き換えるのが難しく、
日本のDXが進まない要因のひとつになっていると考えます。

日本の労働環境とDX
日本ではマルチタスクの仕組みが根付いています。
飲食店を例に考えると、お客様の案内をしながらオーダーを取り、キッチンに伝え、料理を運び、片付けもする。
これに加えて、アルバイトの教育や、シフト管理をすることもあります。
とてもマルチタスクですよね。

一方で、海外ではシングルタスクの仕組みが根付いています。
・お客様の案内をする人
・オーダーを取る人
・キッチンに伝える人
・料理を運ぶ人
・片付ける人
といったように、一つの仕事を一人の人が担当しているイメージです。
日本は1人で良かった人材が、海外では5人の人材が必要となります。
そうすると、必然的に人件費削減のためにデジタル化せざるを得なくなります。

同時にいくつもの仕事をしてくれる人材をロボットにするのは難しいですが、
決まった仕事を行ってくれる人材をロボットに置き換えることはできそうですよね。
日本ではマルチタスクな人材が集まるため、DXの優先順位が低くなっていると考えられます。

<日本のDX推進に向けた課題に対する解決策>

1. 意思決定の迅速化
リスク管理よりもリスクテイクの文化を作ることが必要だと考えます。
そのために、意思決定において必要な情報を迅速に確認できる環境が整っていなければなりません。
情報を迅速に確認し、意思決定のスピードをあげるためにDXが必要です。

2. 労働環境の改善
日本の労働人口は減少しており、10年後には人口減少の影響がより顕著になることが予想されます。
限られた労働力を単純なルーティン業務に割かなくて済むように、
ルーティン業務はDXにより合理化し、一人ひとりの専門性を高めていくことが必要だと考えます。
そのためには、業務分担を明確にし、属人化を防ぐ仕組みづくりが必要となります。

3. DXに対する意識改革
日本の企業におけるDXに対する意識改革は、生き残りのための必須条件となっています。
これまでの仕組みや文化を変えることは簡単なことではありませんが、
長期的な視点に立ち、DXの重要性を認識し行動していくことが必要です。

<まとめ>

今回のコラムでは、日本企業のDX推進における課題と解決策について考えました。
日本では経験によって物事を判断することが多く、人間関係を大切にするため、
「ほかの部署に迷惑をかけてしまうかもしれない」
「誰かが反対する気がする」「自分の判断では進められない」
といった考え方を重視する企業風土が根付いています。
円滑に進めるためのチームワークは大切です。
しかし、意見の確認に時間がかかり意思決定が遅くなった結果、機会を逃してしまうこともあります。

DXは、単なる技術導入ではなく、企業文化や労働環境を含めた組織全体の改革を伴うものです。
関係者全員が協力し、日本企業のDXを加速させていくことが求められています。

弊社ではDXによる業務改善をお手伝いしております。
社内のDXが思うように進まない、そんなときは弊社までお気軽にご相談ください。